うつ,そう(燥),不安神経症,強迫性障害,適応障害,パニック症状の鍼灸

【うつ病とは】:メディカルノートの解説

「大切なのは、薬物以外の方法です。特に、休息をとることが重要です。何かしらのストレス要因からうつ病を発症していることもあるため、ストレスから離れて休息をとり心身ともにリラックスを図ることが重要です」(メディカルノート引用)

鍼をすると全身の筋緊張が緩んできて、気分が落ち着いてゆったりとして眠くなってきます。このように鍼には心身の緊張を和らげるリラクゼーション作用があります。体力があり緊張がつよいタイプ(肝鬱タイプ)、胃腸の働きが悪く疲れやすいタイプ(心脾両虚タイプ)、体力がすこし弱りストレスが多いタイプ(肝脾不和タイプ)に分かれます。体質を判別して異なるツボに鍼をします。不安感は後溪穴、百会穴などを用いて心・精神を安定させます。体力がない人は足のツボを用いて体力を回復させます。ストレスが強く身体が緊張している場合は、背部のツボを用いて過緊張を緩めます。以上のような鍼灸施術をベースに施術していきます。

■やる気がまったくでず勉強ができない
大学院生の男性。修士論文のまとめを大変に忙しくしていて急に頭が回らなくなり作業ができなくなる。いつも眠くて身体も非常ににだるく困っているとのことで来院される。
このような症状の場合は、体力低下のことが多いです。ところがこの人の場合は身体の状態をみると体力があり、ストレスにより身体中の筋肉が緊張して症状が起こっていると見立てて、背部のツボに筋緊張をゆるめストレスを寛解する処置をしました。5回ほどの施術でまずいつも眠い感じが和らいできて、勉強をしようとする気持ちが徐々にでてきました。更に継続して15回程で施術を継続されました。

■うつ症状・不眠:60代女性1年半前より不眠になり次第にやる気がなくなって1日寝てばかりになる。心療内科を受療・服薬するが改善せず入院となるが症状は不変。主治医からの紹介で当院を受療する。身体をみると脈は力なく、胃腸のツボが弱っていた。これは体力低下から精神状態に影響したものと考え、体力を増す鍼を行った。足のツボに鍼灸を週1-2回を3ヶ月程継続しました。

■そう症状:50代男性。従来より軽度のうつと燥を繰り返していました。年初に仕事上のストレスから、話をよくする、興奮、外出が多くなるなど、そう状態になる。服薬はしていない。家族のすすめで症状の改善を求めて2月に来院される。脈は有力で弦脈。舌は老舌で力がある。背部は心兪から胆兪まで緊張が強く、腎兪など腰部は弛緩している。腹部は心下・脾募が緊張。原穴は、太衝・衝陽実、腎兪・太谿・照海虚。上実下虚として始め照海穴に鍼をするが変化があまりないので、背部の至陽穴に変更して鍼を10回ほどしました。

【不安神経症とは】:メディカルノートの解説

鍼灸では多くの不安神経症は「腎虚」の状態になっています。「腎」の働きを改善することで症状に対応します。

■不安神経症・パニック障害
40代女性。出産後から不安神経症やパニック障害がでてくる。外出して人混みにいくと、不安感が増してパニックになりやすい。頓服で安定剤を時々飲んでいる。その他のどのつまり、下痢をしやすい。症状の改善を希望して来院される。脈は弱く、舌も力がない。胃兪、脾兪、太白などの胃腸や免疫に関するツボが弱っていました。証は心脾両虚として、手のツボと、足にお灸をしました。週に1・2回を継続して、10回ほど施術されました。その後、継続して体調管理で来院されています。
不安神経症は、この症例のように体力が大きく低下して起こるものもあります。その場合は、鍼の刺激は弱くして体力を増すように対処します。

■強迫性障害(強迫神経症)・不安神経症 30代女性

子供の頃より家の戸締りで鍵をかけたかどうかなど何度も確認することがあった。この数カ月、それが程度がひどい状態がでてきて困っている。戸締りの確認・ガス止めたかどうかなど何度も確認しないといけなくなる。
症状の改善を求めて来院された。
症状、脈、舌、ツボの状態から、鍼灸の腎虚であると考え、足の腎の補うツボに鍼を10回ほどしました。疲れると症状がすこし出てくるので、そのたびに1・2回鍼施術をして予防をしています。

■パニック障害、不安神経症、心臓神経症:60代男性 仕事が大変忙しい状況が続き、ある日激しい動悸、息切れ、つよい倦怠感で仕事ができなくなる。一種のパニック障害と不安神経症と思われる。ストレスをとる鍼を初め継続し、パニック障害はだいぶよくなったが、安静時および動作時の動悸と不安感がとれないので、基礎体力の低下と考え、足に体力を増強する鍼を10回ほどしました。このように不安神経の背景にはストレスの他に体力低下が大きく関与していることが多く、鍼灸はストレスをとるだけでなく基礎体力をつよくする働きもあります。

■強迫性障害(強迫神経症)、不安神経症:20代女性。子供の頃より心配性で何度もカギを確認するなどしていた。結婚してから症状が悪化し、家を出るのに戸締り火元が心配で15分くらいかかるようになる。同時につよい漠然とした不安感がおこってくる。身体をみると漢方でいう腎虚の状態で、腎虚を改善するつぼに鍼を行った。5回ほどで症状はかなり落ち着き、以降2週間に一度程度継続して鍼をしています。

■不安感・パニック症状と不眠:30代女性【不眠の項で紹介】

※記載の症例は、当院の鍼灸を受療されて同じような経過をたどることを保証するものではありません。症状・病気の程度、生活習慣や体質の違いで効果は異なることがあります。施術を受けられる際の参考としてご覧ください。